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グラス弓・カーボン弓の全種類比較!

滋賀県守山市の弓引く税理士、酒屋です。
弓道関係者のアクセスも増やしたいので、今回は弓ネタで。
弓の情報って意外と少なくて、あちらこちらに散らばってるのでまとめてみました。
初心者~上級者まで、弓選びの参考にしてください。
お値段は2019年の調査時点の最低価格~で表示しています、参考程度に。
PDFも用意しましたので、気に入っていただけましたら拡散お願いします!
グラス弓・カーボン弓一覧表.pdf

目次

今回紹介する弓具メーカー

• 小山弓具(直心シリーズ、東京)
• 寺内弓具(粋シリーズ、北海道)
• ミヤタ総業(埼玉)
• タカハシ弓具(肥後蘇山、熊本)
• 桑幡正清大弓製作所(示現、鹿児島)
• 和弓工房 永野一翠(宮崎)

グラスファイバー弓とは

Glass Fiber=ガラス繊維。形状が変化しにくく弾力性があり、矢が良く飛ぶ。振動が大きく、抑えようと硬く握ってしまうことがある。
グラス弓・カーボン弓とも(竹弓も)芯材は竹や木(桜や楓)を張り合わせてあるため、湿気を避け表面・側木に傷がつかないよう注意する。

カーボンファイバー弓とは

Carbon Fiber=炭素繊維。グラスファイバーよりも軽く、強く、丈夫で値段は高い。弓自体が軽く、矢飛びが良いが人によっては矢どころが乱れやすく、射型が乱れることがある。

直心(じきしん)シリーズ 小山弓具(東京)

1780年創業の江戸弓師。神田本店・藤沢支店・埼玉支店。 鳥打の辺りが低く直線的な、江戸成(なり)と呼ばれる弓成。八代目小山雅司が直心シリーズを発売した。直心Ⅱ以上になると小山雅司の「雅」の字を表した花押(かおう)が入っている(上の画像参照)。
※「直心Ⅲバンブーカーボン」があると聞いたことがありますが、現物を確認できていないので掲載していません

グラス

実技(じつぎ)
¥23,000~ 初心者向け。裏反りが少ない

錬心(れんしん)
¥27,000~ 的前デビュー向け

直心Ⅰグラス
¥36,000~ 実技・練心よりも手幅が細く、矢飛びが安定

直心Ⅱグラス
¥40,000~ 直心I グラスより振動が少なく、矢飛びが安定

直心Ⅲグラスバンブー
¥44,000~ 竹ひごを内蔵することで竹弓の引き心地を再現

カーボン

直心Ⅰカーボン
¥37,200~ カーボン弓のパイオニア。5本のカーボンロッドを全長に内蔵するEグラスファイバー採用

直心Ⅱカーボン
¥49,000~ 3層のカーボンシートで全長を覆う設計。軽量で手幅が細く、矢飛び・矢の安定性にも優れた弓
友人がこれの27kgを引いてますが、弦音が大砲のような音してます。

清雅(せいが)節付カーボン
¥50,000~ 直心 I カーボンをベースに、樹脂で竹弓の節を再現。節には振動を抑える効果がある。2007年発売。
一時期引いていたことがありますが、直心シリーズだけあって、引き心地は直心と変わらない感じがします

鵠心(こくしん)
¥72,300~ 直心シリーズの最高峰。アーチカーボンという構造によって同キロ数の弓に比べ1割増しの矢飛びを実現(本当に良いです。遠的がすごくラク)。
シリアルナンバーが入っているので、控えでは鵠心持ち同志で盛り上がる。2008年発売
※小山弓具さんによるとMAXで21kgまでしか作れないそうです(2020年2月時点)

粋(すい)シリーズ 寺内弓具(北海道) ※重十・平安は大倉弓具(滋賀)

寺内弓具さんは1928年創業。都城弓師の系譜。北海道の大洋弓具社で生産。胴がキュッと入った薩摩成(都城成)という弓成。
ラメ入りやグラデーションなど、オシャレでカワイイ弓が揃ってます。
小耳に挟んだ情報ですが、大倉さんは平安の生産を終了されるそうです(2019年7月情報)
関西以外?では「天伯」や「鎮西」という銘があるようですが、これらも寺内弓具さんのOEMだそうです

グラス

楓(かえで)
¥23,800~ 入門用。振動が少なく射手にやさしい。並寸のみ

橘(たちばな)・重十(しげじゅう)
¥29,000~ 楓の上級品。楓同様、振動が少なく射手にやさしい

桂(かつら)・平安大倉作
¥32,500~ このシリーズ中で最も最初に誕生した弓

翔(しょう)
¥35,000~ 堅牢でしなやかな弓。高い弾力性と反動減衰性、確かな矢飛びを実現

葵(あおい)・平安上作
¥39,000~ シリーズ最上位品。光の具合によって色が変わる緋色。弾性が高く安定し、使いやすさに定評あり

カーボン

粋・平安特作
¥46,000~ カーボン弓の入門品的な位置づけ

特製粋・特製平安
¥56,000~ 粋の上位品。カーボン繊維を編み編みしたバイアスカーボンによりねじれ・ゆがみを抑え、高い反発力・復元力を実現

特作粋・特作平安
¥76,000~ 設計段階で手形から弓幅を割り出す、手形合わせの粋。手に合った最適な握りを作る

仁(じん)
¥49,000~ 比重の小さな強化繊維を容量いっぱいに使用し「軽さ・細さ・速さ」を兼ね備えた弓

特作 仁
¥74,000~ 手形合わせの仁。グラデーション着色(2色)が可能

凛(りん)
¥58,000~ 粋の後継品(Sui II)。重量の軽さを目標に製作されており、高段位の方、手の小さな方などに特に人気

特作 凛
¥78,000~ 手形合わせの凛。グラデーション着色(2色)が可能

英修(えいしゅう)
¥62,000~ ケプラー、ウイスカー等の新素材と、焦がし竹・煤竹を使用した竹弓風の弓。ケプラー繊維はカーボンより柔らかく、竹弓に近い

別作 英修
¥82,000~ 手形合わせの英修。グラデーション着色(2色)が可能

ミヤタ総業(埼玉)

1973年創業。創業者の宮田純治氏はグラスファイバー弓を開発し、1967年の世界弓術選手権にてアーチェリーとの競技で初めて使用した。

グラス

ミヤタA
¥27,000~ 軽くて矢飛びが良い初~中級者向けのグラスファイバー弓。カモメ成と呼ばれている

ミヤタCGⅢ
¥48,000~ グラスファイバーにカーボン繊維を織り混ぜたカーボングラス(CG)採用の高性能弓

ミヤタCGⅤ
¥70,000~ カーボングラス(CG)を採用、弓術の本質「飛・中・貫」を目指して、研究の粋が結集されたグラスファイバーの銘弓

カーボン

ミヤタAC
¥90,000~ ACはオールカーボンの略、ミヤタ弓で最軽量・最高の矢飛び

タカハシ弓具(熊本)

1829年創業の肥後細川藩お抱え矢師。昭和39年にジュラルミン矢を開発した。「肥後」は熊本、「蘇山」は阿蘇山の意味

グラス

肥後蘇山(ひごそざん)真
¥37,963~ 竹弓と同じように裏反りをつけることで矢飛びの良さを実現。引き分けの滑らかさと離れ時の低振動性が特徴。薩摩成

カーボン

肥後蘇山 真カーボン
¥45,648~ グラス肥後蘇山の低振動性、矢飛びの良さを受け継ぎ、ねじれに強い板材を使用

肥後蘇山 弓禅カーボン
¥52,315~ 竹弓の良さにさらに一歩近づいた、シリーズ最上級品。材料と芯材構造に工夫を施し軽量化を実現

肥後蘇山 ハイカーボン
¥57,130~ カーボン使用量を増やし、厚みを抑えつつ強い弓力(18kg~30kg)に特化した肥後蘇山。伸30kgで86759円。パワー弓道でいくならコレ

桑幡正清大弓製作所(鹿児島)

創業時期不明。薩摩藩島津家の弓師東郷家の製法で、霧島市隼人周辺の竹を使用。薩摩弓は矢飛びが良く、初心者や女性弓道家に向いている。

グラス

桑幡正清 示現(くわはたまさきよ じげん)
¥39,000~ 日本の伝統的な弓成である薩摩弓をグラスファイバーで表現。入木にこだわり、大量生産がされないレア弓

桑幡正清 示現バンブーグラス
¥50,000~ 芯材の両面に竹を使用し、引き味が柔らく離れでの振動が他の弓に比べて収まりが早いのが特徴

カーボン

桑幡正清 示現カーボン
¥44,000~ 伝統的な弓成である薩摩弓をカーボン弓で表現。入木にこだわり、大量生産がされないレア弓

桑幡正清 示現バンブーカーボン
¥55,000~ 芯材の両面に竹を使用し、引き味が柔らく離れでの振動が他の弓に比べて収まりが早いのが特徴

和弓工房 永野一翠(宮崎)

竹弓のベストセラー永野一翠さんもカーボン弓を出しています。いずれもなかなかお見掛けしないレア弓。

カーボン

真翠(しんすい)
¥64,167~ 永野一翠作のカーボン弓。柔らかい引き味と、竹弓のような弦音が出せる

和弓つくり カヤ 一萃
¥135,000~ 真翠の上位版。永野一翠の四宝竹構造により、竹弓に近いという至高の一品。彫り銘入り

まとめ

情報がないと「直心か粋か」の二択で弓具店に行って、お店に勧められるまま買ってしまうということも(まあ実際に店頭にあるのは直心と粋がメインになるんですが)。
せっかくの高い買い物なので、各シリーズの中でも種類が分かれていることくらいは予習して行きましょう!
グラス弓・カーボン弓は壊れにくく、弓力も安定しているため長~いお付き合いになります。20年、30年前の弓でも弓力が全く落ちていないというのが普通です(実体験)。
なので、予算がちょっと・・・という方はメルカリなどで中古を検討されてもいいかと思います(ただし矢を中古で買うときは、羽の問題があるので要注意です!)。
竹弓のまとめも大好評公開中です

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