テレワークをした場合の通勤手当
今回のコロナ騒動のおかげでテレワーク(在宅勤務)が大きく普及しているようです。製造業などは難しいようですが滋賀県の知人の間でもかなりテレワークをしているという話を聞きます。通勤時間が短いほど幸福度が上がるそうですし、電車の混雑も緩和されますのでこの調子で普及してほしいと思います(鉄道会社にとっては厳しい話ですが・・・)
テレワークをした場合の通勤手当について、支払う側(経営者)が気になること(どこまで支払う?課税される?)ともらう側(支払ってもらえる?)の双方の視点から注意点をまとめてみました
目次
通勤手当について規定した法律
日本ではサラリーマンに対して通勤手当が支給されるのが通常となっていますが、労働関係の法律で「通勤手当」について規定されたものは無いようです。
唯一(?)通勤手当について規定しているのが所得税法です。会社が従業員に給与を支給した場合に所得税がかかるのですが、通勤にかかった定期代やガソリン代の分まで課税対象とするのはおかしい、ということで所得税を非課税とする範囲が決められています(下記リンク)。
ちなみに非課税限度額は昔は月10万円まででしたが、現在は15万円まで引き上げられています。都市部の人口集中を避けるためという建前でしたが、公務員の支給基準が見直されたから、とかいう裏話が当時あったような気がします。あと「自転車通勤」という文言も昔は無かったような?エコ通勤を推奨する姿勢が見えてて良いですね
テレワークをした分の通勤手当は支払う必要がある?(もらえる?)
労働関係の法律で規定されていない以上、テレワークをした日数分の通勤手当を支払うか支払わないかは各企業が決めることとなります。給与規程や雇用契約書で決めていればそれに従いますし、決められていなければ労使で話し合って決めるのが妥当でしょう。
出勤日数に応じて計算式を組んでいる場合は、実出勤分を集計すればいいでしょうし、営業日数などで支給していたのでしたらそれに従って。
逆に労使の間で取り決めがない場合は通勤手当を減らされても文句は言えない、ということとなります。定期券は各社払い戻しをしているようですが、通勤に駐輪場・駐車場を使っている場合はキツイですよね。
テレワークをした分の通勤手当は課税される?
通勤手当の非課税基準は「電車・バス・マイカー・自転車で通勤している人」に対して、1か月あたりの非課税額が決められており、実際の出勤日数などの基準は決まっていませんが、実際にほとんど出勤していない人は「通勤している人」には該当しないはずですので、所得税法をそのまま解釈した場合は通勤手当をした場合は課税するのが原則となります。
電車を避けてマイカー通勤などを推奨している会社もあるようですが、その場合でも支給額が実費と大きくかけ離れていなければ課税されることはほぼないと考えます。
まとめ
とはいえ今は緊急事態ですからよほど租税回避的な支給方法をしていない限りは大丈夫でしょう。
ただ今回の騒動後にテレワークが定着したら税法の方も対応する可能性はありますので、新しい生活様式に対応した給与規程などの見直しをするには良いタイミングとなるかもしれません。
シェアする